—別角度からみえた新たなるモノづくりの世界—
成元 モノづくりについてお伺いします。
深野 はい。
成元 御社は創業80年の老舗企業であり、メインである抵抗器、その他、会社内での取り組みや外部に向けて発信していることなどあれば教えてください。
深野 私たちは、モノづくりの会社と言いながらモノを作ってるだけではなく、私は所属している人事教育部門で教育や採用、イベントを実施しています。また当社はメーカーで生産に従事している社員や電子部品である抵抗器を作っています。そして、私たちが企業として取り組んでいることって 1 つ 1 つ目的や思いがあり、それをみんなが一つになって目的を意識してそれぞれが目標を持って仕事をしているんですね。ただ、会社があるのが当たり前、仕事があるのが当たり前になっていて、ある意味その目的や情熱がなくても、ある程度会社の方向性を理解しているので、目的などを深く理解し考えることをしなくても普通に仕事ができてしまうんですね。しかし、社員一人ひとりがその1つ1つの仕事だったり、作っている製品だったり、何故?を求めて仕事をしてもらいたいと思います。自分のやっていることの意味や価値、更には当社の製品だったりを見たときに、もっとその人に喜んでもらえるようにしようとか、もっと価値のある取り組みにしよう、製品にしようってところに、社員がいたらなければいけないなっていうのが、今回このプロジェクトに関わった上での気づきですかね。
成元 深野さんはプロジェクトに1から参加するのは今回が初めてだとお聞きしていますが、振り返ってみてどうでしたか?
深野 さっきの話と通じる部分があるんですけど、やり方がわかっていることに自分の思いを足すっていう行為ってすごく簡単に仕事にできるんです。
成元 はい。
深野 当然、いい思いだとは思ってるんですけど、その思いをどうやって具現化しようっていうその難しさですかね?
成元 形作って組み立てていって、その作業をやってある程度形づいたモノを今度は言語化して周りに納得してもらう。企画から関わって面白さとか発見とか、その過程は楽しめましたか?
深野 めちゃめちゃ楽しかったですね。
成元 そうですか!
深野 何か結局言語化できるとか、イメージを漠然として持っている方って多いと思うんですけど、でも改めてそれを具体化していく過程で、より自分の考えてる抽象的な部分がよりクリアになったり思いの形が変わったり。
成元 はい。
深野 なんとなく自分の中でイメージはあるんですけれど、実際に具現化してみようとしたら出てくる形って結構変わるものだなあと。
成元 はい。そうですね。変わりますよね。
深野 はい、変わりますね。やはり最終的なアウトプットを出さないといけないよねっていうときに、社内の人間だけでやるよりも、その思いをしっかりと汲み取り、具現化するということに対して、ご支援いただけるような客観的な存在ってすごく重要だなと思いました。
成元 ありがとうございます。
深野 うちの価値というのは、抵抗器という電流が流れた時に多く流れすぎないように抑止するもの、またその調整をすることにより複雑な電子機器が組み合わさって作成されているパソコン、車など最終的に皆さんの人生を豊かにするものの支援をしているところにあります。私たちの会社はプライム市場に上場しているんですけでも、BtoB企業であり知名度のある会社ではないということは残念ながら自負しております。しかしそれでも私たちの会社が作っている抵抗器というものが最終的には企業さんに導入され、皆さんの生活を豊かにしている下支えをしながら、社会貢献をしている重要な企業であると自信を持っています。
成元 決して派手ではないけどなくてはならないモノ。我々の生活の中にKOAさんが存在しているって感慨深いものがありますね。
深野 結局私たちの使っていただいている抵抗器というのは、多くはBtoBですが最終的にはBtoCでお客様のお手元にも届くというイメージですね。
成元 なるほどですね。その他にも社内の取り組みや、外部に発信していることなどありますか?
深野 やはり私たちは人を大切にするというところで今、社員の教育、学べる、成長する点に重きを置いています。社員が会社で成長しながら働き続けることができるというところを大切にしていて。
成元 大事なのは人ですからね。KOAのオフィスや工場内をアテンドしていただいてるときに感じたのが、働く社員さんとの距離が近いというか、大変アットホームな会社だなと感じました。
深野 ありがとうございます。
成元 社員さん同士がよく笑っていたり、深野さんも率先してお声掛けされていて、いい空気感だなと思いました。
深野 ありがとうございます。
成元 一番大切なことですよね。